人間の脳は「おもしろい」と感じたらどのような状態になるか?
など、漫画と人間の関わりについて様々な角度から研究しています。
そもそも、「人はなぜ、その漫画を読んで感動するか、おもしろいと感じるか」を言語化するのはとても難しく、世界でも漫画を題材とした研究事例がありませんでした。そこで、「人間の脳は『おもしろい』と感じるとどのような状態になるか」など、科学的な研究によって漫画における感情の構造を解き明かそうと研究をスタートさせました。
ある人が「おもしろい」と感じる「成分」を特定できれば、埋もれがちな新人作家さんや無名の作品であっても読者に読んで支持してもらえる方法が見つかる可能性があります。その「おもしろい」と感じる「成分」を探すことは、漫画を販売する上ではレコメンド機能としての武器となり、当社の作品づくりにおけるフィードバックの根拠にもなります。
「漫画を読むと、脳の活動領域や皮部温度、発汗など、どのような『生体反応』が表れるのか?」「そもそも漫画は[絵]なのか[文字]なのか?」「脳は何をどのように『感じる』のか?」など、まだまだわからないことだらけですが、これまで数年にわたり研究を続けている中で、いくつかの有用な技術について特許化に成功した事例も出ています。
現在は、MRIを用いた脳の活動領域の分析と、各種手法で取得できる生体反応をビッグデータとして分析・学習する方法での検証を進めています。ゆくゆくは、「閲覧中の読者がその瞬間にどのように感じているか」をある程度把握することができるでしょう。読者と作家どちらも幸せになる出会いをお届けする出版社を目指して、今後も研究を進めていきます。