鬼木 祐実さん
人を知る

鬼木 祐実
ONIKI YUMI

コミックゼノン編集部
2018年入社
文化構想学部出身

作品を世に売り出す責任者。

漫画編集者が確約されている出版社。

小さい頃から漫画が好きで、少年漫画も少女漫画も読んでいました。大学では、文化構想学部という雑誌をつくる授業もあるような創作好きが集まる学部に入っていたので、ぼんやりと「出版関係に行きたいな」と考えていたのですが、目的が明確になったのは就職活動のとき。「私は出版社で何がしたいのだろう」と考え直してみると、やっぱり漫画だ、と漫画の編集者に思い至りました。そんなときに採用サイトでコアミックスの存在を知り、新卒採用されたら必ず漫画編集部に配属されることに魅力を感じて志望しました。
入社2年目に、先輩編集者が立ち上げた『モブ子の恋』を引き継ぎました。作品の人気を落とすわけにはいかないのでかなりのプレッシャーでした。どの作品を引き継いだとしても、作品にとって何が一番いいかを考えて、作家さんに提案できるようにしておくことが大切だと、このときに実感しました。

どうしたら面白くなり、
どうしたら売れるか。

現在、私が担当する主な連載作品は『ワカコ酒』『モブ子の恋』『少年を飼う』『明かせぬ正体 最強の糸使いは復讐の死神になる』ですが、この他にも堀江社長が原作を担当し、原哲夫先生が携わっている『前田慶次 かぶき旅』なども担当しています。お二人とも偉大な方々ですので私には思いつかないアイデアが次々と出てきますし、原先生は特にネーム(絵コンテ)が天才的で毎回とても勉強になります。『ワカコ酒』は2022年から引き継いだ作品で、『少年を飼う』は作家さんに「年の差の恋愛ものをやりましょう」と企画を持ちかけて立ち上げました。
どうすれば作品が面白くなるのか常に考えていますが、明確な答えがあるわけではないのでアイデア出しと試行錯誤の連続です。また、単行本をただ出せば売れるという時代ではありませんので、売り出すための施策を編集長や他部署の方々と話し合って考え続けています。

編集者は漫画制作のサポーター。

漫画編集の仕事の魅力は、作家さんたちの原稿を一番に拝見できること。仕事がきついと感じるときもありますが、原稿が上がってくるのはすごく楽しみですし、それを見て「今回の話も面白そうで良かった」と安心することもできます。
編集者として大切にしているのは、作家さんたちになるべく作品づくり以外の心労をかけないようにすること。メールや電話をもらったら可能な限り早く返事をして、返事ができないときも折り返し時間の一報だけは入れるようにしています。担当した作家さんの作品が終わり、次回作の打ち合わせをしていたときに、「また鬼木さんと一緒に仕事をしたい」と言っていただけたのはとてもうれしかったです。まだデビューしていない新人作家さんの企画を編集会議で通して、連載デビューまで持っていくのが直近の目標です。

とある日のスケジュール

  • 12:00 出勤、メールチェック
  • 12:30 メールの返信、作家さんから届いたネームや原稿のチェック
  • 14:00 作家さんと打ち合わせ①
  • 15:30 雑誌の記事ページ作成
  • 16:30 会議資料の作成
  • 17:30 原稿の入稿作業
  • 18:30 作家さんから届いたネームや原稿のチェック、打ち合わせ②
    (打ち合わせの合間に夕食)
  • 19:30 コミックスの制作作業
  • 20:30 出稿された校正紙の確認など
    作家さんから原稿が届けば確認と打ち合わせ③
  • 21:30 退勤

担当作家から見た編集者

新久千映先生

『ワカコ酒』で大人気の呑兵衛漫画家。広島在住。
他の著作に『タカコさん』『ミカコ72歳』など。

『ワカコ酒』の担当さん交替のときは、正直「よしよし、若い人ね、温かい目で見てあげよう」などと思っておりました。すみません。鬼木さんは私よりもずっと大人です。仕事が早いだけでなく、察しもよくて気遣いもピカイチです。カゲの努力を感じます。本当に、今まで作品作り以外のストレスを感じたことなどありません。それにしても編集さんの一日って作家よりずっとハードですね…。

MESSAGE

もし編集者を志しているなら、今のうちから友だちに好きな漫画をすすめるなどして、自分が面白いと思うものをどのように伝えるか、考える練習をしておくといいかもしれません。おそらく想像している以上に大変な仕事ですが、ハマれば趣味のような感覚で大変さを忘れて没頭できる仕事だと思います。

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